なぜインサイドセールスは「辛いからやめとけ」と言われるのか
従来の営業方法である飛び込み営業や、企業に訪問しての対面での営業とは異なり、内勤営業という新しいスタイルの営業活動で注目されているインサイドセールス。
将来性があり、今の時代に合った営業の手法として大手企業から中小企業まで、数多くの現場で受け入れられている一方、「辛いからやめとけ」という声を聞くこともあります。
また、営業職に就こうとしている就活生に対しても「辛いからやめるべき」という声も囁かれているようです。
営業職自体の人気は高く、年収も他の業種と比較しても決して低いわけではないのに、なぜなのでしょうか。
この記事では、なぜインサイドセールスが辛い、難しいと言われてしまうのか、その理由と対策について解説していきます。
目次
インサイドセールスとは?その業務は?
インサイドセールスは、内勤で行う営業活動であり、電話やDM、ウェブ会議ツールなどを通して商談へと結び付ける業務を担っています。
混同しやすい「テレアポ」は、インサイドセールスの営業手段のひとつであり、架電によりアポイントの獲得を目指すものです。
一人の営業担当者が全てを担っていた従来のフィールドセールス(外勤営業)と違い、営業部門内で仕事を分業して活動しています。
営業部隊の分業自体はSaaS営業としてご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
インサイドセールス部門では、マーケット担当者が選別した見込み顧客(リード)に対して営業活動を行い、アポイントを獲得します。
その後、フィールドセールス担当者に引き継ぎ、最終的な商談や受注を任せます。
まだ購入意欲の低い顧客を相手にアプローチをかけ、購入意欲を育成していくリードナーチャリングも重要な業務です。
ナーチャリングにより成約の確度を高める役割を担い、その後はフィールドセールスに引き渡し、クロージングを託します。
場合によっては、既存顧客に対してのアフターフォロー等のカスタマーサクセスを担当することもあります。
総合すると、インサイドセールスは、営業部門内の橋渡し役と言えるでしょう。
インサイドセールスが「辛いからやめとけ」と言われる理由とは?
「辛い」という言葉を耳にすることの多い営業職の中でも、なぜインサイドセールスが「難しい」「きつい」と言われてしまうのでしょうか。
主な理由として以下の5点が挙げられます。
- マーケティング部門とセールス部門との板挟みになる
- KPIの設定が明確化されていない
- ノウハウ・ナレッジ不足
- 一人での対応数が多い
- つらさを感じやすい
具体的にひとつずつ解説していきます。
インサイドセールスが「辛いからやめとけ」と言われる理由1
マーケティング部門とフィールドセールス部門との板挟みになる
先述の通り、インサイドセールスはマーケティング部門とフィールドセールス部門の橋渡しのポジションであるため、板挟み状態に陥りやすいポジションです。
マーケティング部門からの見込み客リストをフィールドセールス部門に回す数が少なければ、「リストを無駄にするな」「ナーチャリングが下手だ」と。
同様にフィールドセールス部門からは、引き継いだ商談での受注数や成約率が低かったり、回すリードの数が少なかったりと、板挟みになることも多いでしょう。
それぞれの目標意識が高いからこその言葉だとしても、その冷たい対応に辛さを感じることはあるでしょう。
時には、無茶な要望を断る必要なども出てきてしまい、よりストレスに感じるかもしれません。
インサイドセールスが「辛いからやめとけ」と言われる理由2
KPIの設定が明確化されていない
インサイドセールスでは、マーケティング部門の「リード獲得数」やフィールドセールス部門における「成約数」のような、定量的な数値で成果を評価するためのKPI(重要業績評価指標)が設定しづらいです。
ただ、目標があやふやだったり、むやみに達成が厳しい指標を設定してしまうと、苦労したもののノルマをこなす事が出来ず、自分には無理だとメンタルが落ち込む要因になってしまいがちです。
結果的に、本当はインサイドセールスを担当する適性があるにも関わらず、営業に対して苦手意識などネガティブな感情を抱いてしまったり、続けることが難しく、辞める人がでてしまう事が大いにあり得ます。
インサイドセールスが「辛いからやめとけ」と言われる理由3
ノウハウ・ナレッジ不足
インサイドセールス自体の歴史がまだ浅いため、会社の中でも十分にノウハウやナレッジが蓄積されておらず、手探り状態でうまく業務を進められないというケースが多いです。
どれだけ個人がコミュニケーション能力が優れている等、優秀なスキルを持っていても、企業側にノウハウがなければインサイドセールスはうまく機能できず、成果をあげられません。
インサイドセールスが「辛いからやめとけ」と言われる理由4
一人での対応数が多い
フィールドセールス(外勤営業)に比べて移動の手間などがない分、より多くの件数を担当することになります。
マーケより託された数多くのリードも、それぞれ顧客情報を読み込み情報収集をした上で、相手によってアプローチの方法や対応を変えなければなりません。
複数の案件を同時に進めていく必要があるため、「大変だ」とつらさを感じやすくなるのでしょう。
インサイドセールスが「辛いからやめとけ」と言われる理由5
つらさを感じやすい
上記の事柄に加え、多くの営業職経験者が辛かったと語る「アポイントの獲得」や「新規開拓」という業務の内容を担うポジションでもあるため、顧客に話を聞いてもらえなかったり、思うように商品の魅力を伝える事ができない場合があったりと、つらさを感じやすく、モチベーションの維持が困難であるという意見もあります。
テレアポにおいては時に冷たい言葉を浴びせる顧客がいることもあります。
気にしないようにしていても、やはりつらさを感じる要因の一つとして挙がりやすいです。
また、前述のように、KPIが不明瞭だと、営業職の醍醐味である商談の成立の喜びや、達成感を味わう事ができないため、よりしんどさを感じてしまうのでしょう。
インサイドセールスの辛さを解消のための具体例
インサイドセールスには様々な課題が発生することがわかりました。
しかし、その課題を解決することで、企業にとって大きなメリットを得られるならば導入は避けたくないはずです。
以下に、インサイドセールスの辛さを解消するための解決策を挙げています。
- 他部門とコミュニケーションを密にとる
- 適切なKPIの設定
- 顧客管理システム等のツールの導入
- 社内での役割の明確化
- マニュアルの最適化
- 専門家に相談する
それぞれ具体的にをみていきましょう。
他部門とコミュニケーションを密にとる
前述のとおり、インサイドセールスは、マーケティング部門とフィールドセールス部門との橋渡し的なポジションです。
そのため業務上、両部門との連携が必要不可欠です。
リード(見込み顧客)の情報や営業のフェーズの進捗状況を共有することで、各部門の重要性をお互いに認識することができ、連携がスムーズになるでしょう。
また、お互いに業務内容を詳細に把握したり、業務のフィードバックをする等、コミュニケーションを積極的にとることで、働きやすい職場環境へと変化するはずです。
適切なKPIの設定
誰もが分かりやすく、目指しやすいKPIを設定する必要があります。
インサイドセールスには、SDRとよばれるPULL型の営業と、BDRとよばれるPUSH型の営業があり、リード(見込み顧客)の購買意欲にも大きな差があります。
そのため、それぞれに合ったKPIを設定しなければなりません。
また、架電数や資料送付数といった量的なKPIだけでなく、商談化数のような質的なKPIも必要です。
適切なKPIの設定が、業務の見通しを良くする他、目標数値がはっきりすることで、担当者のモチベーションの向上にも貢献します。
さらに、ノルマを達成することができれば、目標達成による成功の体験によりやりがいや達成感を感じやすくなるでしょう。
また、KPIの設定により現状を正確に把握することで、問題の所在を特定しやすくなります。
取り組むべき課題がはっきりするため、例えば架電数の見直しや、マニュアルのブラッシュアップなどPDCAサイクルを回すことで、成功率の向上につながるでしょう。
顧客管理システム等のツールの導入
インサイドセールスでは、一人が多くのリードを担当するほか、他部門との連携が重要になります。
顧客の情報を残し引き継いでいくためにも、顧客管理ツールの導入は必須と言えるでしょう。
顧客管理システムの導入により、営業部門内での連携も効率化されます。
従来の営業と違い、一人の顧客に対してマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスの三部門が関与するため、顧客情報の引き継ぎが出来ているかは商談の成否に大きく影響します。
それぞれの部門が顧客と良好な関係を構築するためにも、顧客管理システムを上手く活用しましょう。
また、顧客への対応スピードも最大化され、顧客の温度感を見ながらアプローチをかけることができることで、商談や購入、成約の確度を高めることができ、担当者のやりがいにつながるでしょう。
社内での役割の明確化
インサイドセールスは新しい営業の手法である事もあり、何をする部門なのか分かりづらく、他部署・他部門からの理解を得にくい部門かもしれません。
そのため、導入の際にはどのような役割や仕事内容を担うのかを明確にし、直接連携するしないを問わず、社内全体に周知する必要があります。
会社全体の理解を深めることで、インサイドセールスの重要性が広まり、他部門からの協力も得やすくなり、担当者も行動しやすい職場環境をつくることができます。
マニュアルの最適化
マニュアルを最適化することで、良い意味で営業担当者のパフォーマンスに依存しなくなります。
つまりインサイドセールス部門全体でのスキルの平準化・属人化の防止が実現します。
またマニュアルの最適化は営業担当者だけのメリットではなく、会社の採用メリットにつながります。
営業職未経験の異なる職種からの転職や、キャリアの浅い新卒・第二新卒に対しても積極的に求人をかけやすく、人材不足の解消になるでしょう。
また、社外のみならず、社内でも異動を受け入れやすい土壌であるため、他部署からのキャリアチェンジも増える可能性があります。
そのため、キャリアパスの一環で営業経験を積みたい人にとってもチャンスが増え、社内のキャリアアップだけでなく、各個人の市場価値の向上が期待できます。
専門家に相談する
そもそも社内でナレッジやノウハウが確立していない場合、インサイドセールス部門の内製化は非常に困難です。
インサイドセールスの導入方法がわからない場合や、導入したものの運用しづらい場合には、専門家の意見やアドバイスやサポートを取り入れるとよいでしょう。
自社に適した組織づくりやKPI設定、トークスクリプトやマニュアルの作成などを、プロ目線で建付けることでインサイドセールス部門を短期間で運営に乗せることができます。
また、今や自社では営業部門を持たず、営業活動を外部に委託する企業も珍しくありません。
自社で、インサイドセールスを含めた営業活動を行えない場合は、専門のエージェントにBPO委託することも一つの手といえるでしょう。
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