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ナーチャリングの極意

現在、ナーチャリングはBtoBマーケティングの手段の一つとして国内企業でも採用されつつある手法です。
しかし、ナーチャリングという言葉は知っているものの、詳しく説明できないという方は少なくありません。

当記事ではBtoBマーケティングにおけるナーチャリングの重要性について解説します。
あわせて見込み顧客の育成方法や施策をするうえで効率化させるツールも解説するため、ナーチャリングへの理解を深めたい方はぜひご一読ください。

ナーチャリングとは?

ナーチャリングは直訳すると育成するという意味を持つアメリカ発祥のBtoBマーケティング手法です。
見込み顧客や既存顧客をリピーターになるよう育成する方法は、新規顧客を獲得するよりも効率的なため、日本でも注目を集めています。
顧客を育成することをリードナーチャリングと言い、リードナーチャリングはBtoBマーケティングにおいて重要な役割を持つと言えるでしょう。

ナーチャリングについて理解を深めたい場合、押さえておきたい3つのポイントは以下の通りです。

  • リードナーチャリングとリードジェネレーション・リードクオリフィケーションの違い
  • 既存顧客に対するナーチャリング
  • 優良顧客に対するナーチャリング

ここでは3点について解説します。

リードナーチャリングとリードジェネレーション・リードクオリフィケーションの違い

リードナーチャリングと混同されやすい言葉として、リードジェネレーションとリードクオリフィケーションがあります。
これらはBtoBマーケティングの基礎である「デマンドジェネレーション」の3つのプロセスの名称であり、3つの流れと違いをまとめたものが以下になります。

リードジェネレーション展示会などのイベントや、webサイトを通じて見込み顧客の情報を獲得する
リードナーチャリングリードジェネレーションで獲得した見込み顧客に対する育成を行い、購買意欲を高める
リードクオリフィケーション見込み顧客を分類し、より購買意欲の高い顧客の選別をし営業担当に引き渡す

BtoBマーケティングでは3つのプロセスをバランスよく行うことが重要視されています。
見込み顧客の獲得から育成し、購買意欲の高い顧客をリストアップすることで効率的な営業が可能になるでしょう。

既存顧客に対するナーチャリング

既存顧客の中には、購入頻度が低い顧客や、一度商品・サービスを利用したものの、その後の利用が滞っている顧客もいます。
既存顧客と信頼関係を構築し、優良顧客として育成することで顧客と中長期的なつながりを持ちましょう。
また、新規顧客を取り入れるよりも既存顧客を育てたほうがコストや時間がかからず効率的なため、利益率が高まるなどのメリットがあります。

優良顧客に対するナーチャリング

優良顧客とは、自社の商品・サービスを繰り返し利用し企業の売上に大きく貢献している既存顧客を指します。
優良顧客には現状に満足せず自社への付加価値を提供し、長期に渡って利用してもらえるゆるぎない信頼関係の構築が求められます。

優良顧客とはある程度の信頼関係が構築できているため、自社の新商品の紹介や商品についての新鮮な情報などを定期的に紹介することでビジネスチャンスにつなげる取り組みも行いましょう。

ナーチャリングが重要視される理由

リードナーチャリングが重要視される理由は以下の通りです。

  • 休眠顧客が増加傾向にある
  • 顧客の購入先に対する検討期間の長期化
  • 顧客タイプに応じた適切なアプローチが求められている

ここでは3点について解説します。

休眠顧客が増加傾向にある

既存顧客の中には過去に取引があったものの現在は商談を行っていない休眠顧客が一定数存在しています。
企業の商品・サービスによっては頻繁に利用するものではない場合も多くあるため、商品・サービスの利用が滞ってる期間を計算し、必要なタイミングを見計らってアクションを行うことで再び利用してもらえるチャンスに変えましょう。

休眠顧客にもナーチャリングは有効なので、休眠案件や失注案件を掘り起こし育成することで案件獲得へとつながります。

顧客の購入先に対する検討期間の長期化

従来は対面式で商品・サービスを購入するのが主流であったため、購入の意思決定までの時間がそう長くはかかりませんでした。
しかし現在はインターネットの普及で店頭に足を運ばずに商品・サービスについて購入を検討する場合が多く、顧客が自身のペースで購入を検討できるようになっています。

顧客は、商品を買う際にさまざまな企業の情報収集を行い比較しながら検討するため、購買意欲が高まるタイミングで適切な情報を提供できるようリードナーチャリングを行うことが重要です。

顧客タイプに応じた適切なアプローチが求められている

現在企業には商品・サービスを積極的に売り込むだけでなく、有益な情報を発信することが求められています。
顧客によって欲しい情報は異なり、それに応じて売り込み方を変えていく必要があります。
顧客のタイプに応じた適切なアプローチをする場合には、ナーチャリングが有効です。

顧客の分析を行い、顧客に会った情報を提供することで顧客の購買意欲を高めましょう。

ナーチャリングのメリット・デメリット

リードナーチャリングの実施を検討している場合は、事前にメリット・デメリットを確認してから行いましょう。

ここでは、リードナーチャリングのメリット・デメリットについて解説します。

ナーチャリングのメリット

リードナーチャリングは既に獲得している既存顧客に対してアプローチをする手法であり、新規客に比べアプローチがしやすいメリットがあります。
コスト面でも広告を打つ手間が省け大幅にカットが可能なため、売上だけでなく利益率の向上も期待できるでしょう。

ナーチャリングのデメリット

リードナーチャリングのデメリットとして、自社にある程度の顧客がいなければナーチャリングをしても成果が得られにくい点が挙げられます。
既存顧客の数が少ない際は、ナーチャリングを行う前のリードジェネレーションの段階で見込み顧客の情報を多く獲得する必要があります。

また、リードナーチャリングは中長期的に行う手法なので、短期集中で売上を伸ばしたいという場合には不向きです。
しかし顧客の育成は顧客との中長期的なつながりを持つための有効な手段であることから、計画的に取り組むことで結果がついてくるでしょう。

ナーチャリングに使われている手法

リードナーチャリングの際に使われている主な手法は以下の通りです。

  • SNS
  • ホワイトペーパー
  • セミナー
  • オウンドメディア
  • メール・リターゲティング広告
  • インサイドセールス

ここでは6点の手法について解説します。

SNS

SNSは既存客だけでなく見込み顧客ともつながりやすいメリットがあります。
自社アカウントをフォローしていれば情報を発信した際に届きやすいうえ、既存顧客に拡散してもらうことで見込み顧客だけでなく新規顧客の獲得も期待できるでしょう。

また、SNS上で顧客とのコミュニケーションを取ることも可能なため、顧客とのつながりを得ることも可能です。

ホワイトペーパー

BtoBマーケティングで使われるホワイトペーパーとは、自社の商品・サービスを利用し、課題を解決した事例などをまとめたものを指します。
顧客から資料請求の問い合わせを受けてはじめて企業は顧客へと資料を渡す流れです。

ホワイトペーパーに書かれている内容が顧客の抱えている問題解決につながるものであれば興味を引きやすく、自然と購入意欲を高めることが可能になります。

セミナー

顧客がセミナーに足を運ぶということは、少なからず自社の商品・サービスに興味を示している証拠です。
市場調査を行い集客が望めるエリアを発見し、セミナーを実施することで確度の高い見込み顧客を獲得できるでしょう。

また、セミナーはオンラインで配信することで、場所を選ばず多くの見込み顧客を獲得できるメリットがあります。

オウンドメディア

オウンドメディアは自社の運営するメディアを指します。
オウンドメディアを利用したナーチャリングは、ブログやwebメディアを活用し潜在顧客の認知を獲得可能です。

顧客にとって有益な情報を発信しつつ自社の商品・サービスをアピールするポイントになるため、自社のブログやコラムを定期的に発信することで顧客の購買意欲を高められるでしょう。

メール

メールは、顧客に定期的に自社の情報を提供できるナーチャリングに最適な手法です。
メールの開封率などの情報が得られるため、顧客の興味のある内容や開封されやすいタイミングがわかり、購買の意欲だけでなく自社に対する関心度や温度感が測れるメリットがあります。

メールには大きくわけて3つの種類があります。

  • ステップメール
  • セグメントメール
  • メルマガ

ここでは3種類について詳しく解説します。

ステップメール

ステップメールとは言葉の通り、見込み顧客に対して段階的にメールを通じてアプローチする手法です。
自社のサイトで資料請求をした顧客に向けてステップメールを送る場合、2日から3日にかけて一通ずつ配信し、顧客の反応を見ながらアプローチを変えていきましょう。

セグメントメール

セグメントメールとは、年齢や性別などの情報に加え、以前送ったメールの中のURLをクリックした見込み顧客だけにその商品・サービスについての情報を配信する手法です。

見込み顧客自らがクリックして情報を必要としているため、商品・サービスについて詳しく解説されたメールを追って送信することで、自然と購買意欲を高められるでしょう。

メルマガ

メルマガ(メールマガジン)では、自社の商品・サービスはもちろん見込み顧客に伝えたいメッセージなどを配信できることから、コミュニケーションツールとして多くの企業が導入しています。

また、メルマガを配信する際には配信する時間帯や頻度に注意しましょう。
一日に何通も配信するとあまりよい印象を持たれないケースが多いようです。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、以前にサイトを訪問したことのあるユーザーに対して配信される手法です。
過去に興味があった商品・サービスを再びアピールすることで見込み顧客に自社の存在を思い出してもらうよい機会になり、購買意欲を高められるでしょう。

インサイドセールス

インサイドセールスとは、見込み顧客に関してテレアポやリモート会議などを通じて営業活動を行う手法です。
インサイドセールスは場所を問わず営業活動ができるだけでなく、実際に顧客の反応を見ながら商品・サービスを説明するためほかのツールに比べて意思疎通がしやすく購買意欲も高めやすいメリットがあります。

ナーチャリングの導入手順

リードナーチャリングの導入手順は以下の通りです。

  1. 見込み顧客の情報を分類する
  2. カスタマージャーニーマップを作成する
  3. コンテンツを作成する
  4. 見込み顧客の優先順位を決める
  5. ナーチャリングを実行

ここでは5つの手順について解説します。

顧客の情報を分類する

軸が決まったら見込み顧客の情報を分類します。
具体的には性別や年齢、住居エリアや過去の取引履歴をもとに見込み顧客のタイプごとに分類しましょう。
情報の分類を行うことで自社の顧客はどのようなタイプが多いかが把握ができるメリットがあります。

顧客の情報を収集する場合、CPM分析のような顧客分析ツールを使用することをおすすめします。
さまざまな分析方法を活用し精度の高い情報を収集し、細かな分類を行いましょう。

カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品・サービスを購入するまでの道のりをまとめたマップを指します。
カスタマージャーニーマップは自社のペルソナをもとにターゲットを設定し、見込み顧客の行動や感情、タッチポイント(企業との接点)をまとめます。

カスタマージャーニーマップを作成することで顧客の行動がイメージしやすくなり、それに応じた施策を取ることも可能になるでしょう。

コンテンツを作成する

次にカスタマージャーニーマップをもとに顧客・見込み顧客にあったコンテンツを作成します。
コンテンツは顧客の自社への関心度に応じて複数作成しましょう。
商品・サービスの情報提供はもちろんのこと、キャンペーンの案内や、導入事例の紹介、過去に顧客からいただいた声などを組み込むことでコンテンツに説得力が増し、自社に対する信頼感も生まれるでしょう。

見込み顧客の優先順位を決める

見込み顧客の優先順位を決める際には、スコアリングを用いるとよいでしょう。
スコアリングとは、顧客の行動に応じてポイントを付与し、その得点に応じてアプローチする優先順位を決めるための評価方法です。

例えば顧客がセミナーに参加した回数や、資料請求をした回数など、回数が多いほど点数が上がり優先的に営業活動をすべきと判断されます。

より購買意欲の高い見込み顧客に営業活動をすることで、中長期的なつながりのある顧客を獲得できるでしょう。

ナーチャリングを実行

完成したコンテンツと顧客情報をもとにナーチャリングを実行します。
ナーチャリングのコンテンツを配信し、見込み顧客の意欲が高まってきた段階でまた新たな情報を提供していく作業を繰り返しましょう。

ナーチャリングはPDCAサイクルを行いながら適宜修正していく必要があります。
PDCAサイクルは、顧客管理が可能なCRMツールや、データを自動管理・分析するMAツールを活用し効率的に回しましょう。

また、既存客・優良客に関しては継続的にアプローチをするなどのフォローアップを行い、ナーチャリングを続けるとよいでしょう。

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