Blog

  1. HOME
  2. ブログ
  3. Column
  4. チャーンレートとは?種類や平均、計算方法と解約率を下げる改善策

チャーンレートとは?種類や平均、計算方法と解約率を下げる改善策

チャーンレートとは一定期間に失った顧客の解約率を示す指標です。
チャーンレートが低いほど顧客が解約する割合も低いことを意味し、ビジネスとして安定していることを意味します。

今回はチャーンレートの重要性や種類、平均の目安、計算方法の説明とともに、顧客の解約率が悪化した際の原因や、改善策についてご紹介します。

チャーンレートの概要と重要性

チャーンレート(Churn Rate)とは「解約率」を意味し、一定期間内に商品・サービスの利用を停止・解約した人の割合を示します。
チャーンレートが低ければ低いほど、継続顧客が多く、収益も安定していることを意味します。

ビジネスにおいて、チャーンレートは事業の安定化を実現する上で重要性が高い指標といわれています。 
重要性を増した一因には、近年の通信技術の進歩によるSaaS(Software as a Service)ビジネスやサブスクリプションのビジネスモデルの台頭も影響しています。

特にSaaS型などのサブスクリプションビジネスモデルにおいては、「顧客の解約率=サービス利用者の減少」であり、事業の安定化に対し重要な課題となっています。

売り上げへの直接的な影響

チャーンレートの重要性が高いとされる大きな理由のひとつは収益に直結することです。
チャーンレートは、数値が低ければ低いほど、既存顧客が継続的に商品・サービスを利用していることを示し、事業の収益も安定化します。

反対に、チャーンレートが高まるほど、解約する顧客割合も増えることを意味します。
顧客が減少するということは利益率減少に直結し、収益の確保も難しくなります。

新規顧客獲得コスト(CAC)削減実現

低いチャーンレートを維持することは、新規顧客コスト(CAC:Customer Acquisition Cost)の削減にもつながります。

現代のビジネス社会においては、既存顧客を維持することに対し、新規顧客を獲得するには5倍のコストがかかるという「1:5の法則」の考え方が主流です。

さらに現代のビジネス環境は商品やサービスがあふれており、情報過多の状況のなかで自社を選んでもらうことは簡単ではありません。新規顧客獲得にコストをかけるよりも、既存顧客との関係を深めることに注力することで継続利用を促進できれば、コスト削減だけでなく収益の安定化も図れるでしょう。

業績評価指数(KPI)の指標

チャーンレートは業績評価指数(KPI)でも、継続してモニタリングすべき重要な指標として扱われています。

例えば新たな料金プランを追加したあとにチャーンレートが低下した場合、そのサービス品質改善が顧客満足度の向上に一役買ったと推測されます。
KPIに設定することで、課題や改善点を見つける材料となり、全体のサービス品質向上にもつながっていくでしょう。

顧客生涯価値(LTV)向上とも相関関係

チャーンレートは顧客生涯価値(LTV)とも密接な関係があるとされています。
「LTV(Life Time Value)」とは、一人の顧客が生涯にわたり企業にもたらす利益の合計を示す指標です。

基本的な考え方としては、チャーンレートが低下するとLTVは上昇し、チャーンレートが上昇するとLTVも低下し、企業にとっては損失が生まれます。
チャーンレートが少し下がるだけでも、LTVに対して大きく影響します。

チャーンレートの平均値

チャーンレートの一般的な平均値の目安は下記のとおりです。

【企業別】
中小企業:月間3%~7%
大企業 :月間0.5%~1%

中小企業に比べ、大企業のほうがチャーンレートは低い傾向にあります。
チャーンレートは企業規模、業界の特性や環境、商品・サービスの形態などによって細かく異なりますが、平均値と比較することで事業の健全性をチェックできるでしょう。

参照:Tomasz Tunguz https://tomtunguz.com/saas-innovators-dilemma/
Recurly Research https://recurly.com/research/churn-rate-benchmarks/

チャーンレートの種類と計算方法

チャーンレートは大きく3つの種類に分けられます。

  • カスタマーチャーンレート(Customer Churn Rate)
  • レベニューチャーンレート(Revenue Churn Rate)
  • アカウントチャーンレート(Account Churn Rate)

さらにレベニューチャーンレートは「グロスレベニューチャーンレート(Gross Revenue Churn Rate)」と、「ネットレベニューチャーンレート(Net Revenue Churn Rate)」に分類されます。

チャーンレートのモニタリングは、企業や業界によって測定期間の設定を日次、週次、月次、年次にするなど、扱いが異なります。
例えば月次で定量的な分析を行う場合、月初から月末を期間として設定するなどします。

上記の種類を活用することにより、それぞれ異なる視点から顧客が離れた割合を測ることができるので、目的に応じて適切な指標を得ることが可能です。

カスタマーチャーンレート(Customer Churn Rate)

カスタマーチャーンレート(Customer Churn Rate)は顧客数を基準とし、一定期間内に何人の顧客が離れたかを測定します。
カスタマーチャーンレートが高ければ、顧客の流出も多いと判断できます。 

対象基準となるのはモニタリングとして設定した期間内に解約した人や、有料会員から無料会員へ変更(ダウングレード)した人です。

【カスタマーチャーンレートの計算方法】
カスタマーチャーンレート(%)=(期間内に解約された顧客数÷期間開始時(期首)の顧客総数)×100

カスタマーチャーンレートはチャーンレートの種類のなかで最も利用されることが多い計算方法です。
算出することにより、顧客がどの程度維持できているかを把握するのに役立ちます。

レベニューチャーンレート(Revenue Churn Rate)

レベニューチャーンレート(Revenue Churn Rate)は収益を基準に解約率を算出する方法です。
モニタリングに設定した期間内にどの程度の損失額が出たかを示し、複数の料金プランを設定している場合や、顧客ごとに契約金額が異なる場合の実情把握に効果的です。

レベニューチャーンレートはさらに2種類に分けられます。

  • グロスレベニューチャーンレート(Gross Revenue Churn Rate)
  • ネットレベニューチャーンレート(Net Revenue Churn Rate)

グロスレベニューチャーンレート(Gross Revenue Churn Rate)

グロスレベニューチャーンレート(Gross Revenue Churn Rate)は、顧客の解約やプランのダウングレードによる損失額を基準に算出する指標です。
「グロスMRRチャーンレート (Gross MRR Churn Rate)」と呼ばれることもあります。

ネットレベニューチャーンレートとの違いは、グロスレベニューチャーンレートは新規顧客からの利益や既存顧客からのアップセル・クロスセルも考慮しないことです。

既存顧客の解約による損失額のみを明確に反映するので、ビジネスの売上減少リスクの把握に役立ちます。
一方、全体の収益変動の正確な把握には至らない可能性に注意が必要です。

【グロスレベニューチャーンレートの計算方法】
グロスレベニューチャーンレート(%)=(一定期間内に失った収益)÷(期間開始時(期首)の総収益)×100

ネットレベニューチャーンレート(Net Revenue Churn Rate)

ネットレベニューチャーンレート(Net Revenue Churn Rate)は、損失から既存顧客の追加収益を差し引いた指標です。
損失額に加え、アップセル・クロスセルによる売上も含めて計算するので、全体の把握や予測に役立ちます。
収益の増減をより正確に把握したいときに効果的な指標といえるでしょう。

【ネットレベニューチャーンレートの計算方法】
ネットレベニューチャーンレート(%)=(一定期間内の損失額-既存顧客からの追加収益(アップセル・クロスセル))÷(期間開始時(期首)の総収益)× 100(%)

ネットレベニューチャーンレートは、マイナスの値が算出されることもあります。
マイナスの状態を「ネガティブチャーン」といい、企業にとっては損失より収益が増えている理想的な状態といえます。

モニタリング設定期間において、ネガティブチャーンの状態になれば、全体の収益は増えていることになります。
企業として事業の健全性を確かめることもできるでしょう。

アカウントチャーンレート(Account Churn Rate)

アカウントチャーンレート(Account Churn Rate)は、登録されているアカウント数を基準に算出する指標です。
一定期間内に解約したアカウント数を総アカウント数で割ることにより、算出されます。

顧客数の変動に焦点を当てることにより、顧客数の動きを直接測ることができるのが特徴です。
1人で複数のアカウントを保有する利用者や、法人や団体で1つのアカウントを共有している場合に、利用状況の把握に役立ちます。

【アカウントチャーンレートの計算方法】
アカウントチャーンレート(%)=(一定期間内に解約されたアカウント数)÷(期間開始時(期首)の総アカウント数)×100

チャーンレートが高まるときとは?悪化する原因

チャーンレートは企業の規模や業種、取り扱う商品・サービスを問わず課題になることが多い指標です。
数値が上昇したときは、なぜ解約率が高まっているのか、原因を究明し適切な対策を講じる必要があります。
どのような時にチャーンレートが悪化しやすいのか、考えうる原因を見ていきましょう。

商品・サービスに対する顧客満足度が低い

チャーンレートが高まる要因のひとつには、商品・サービスに対する顧客満足度が低下している場合です。
提供する商品・サービスが顧客の求める品質・機能を満たしているか、サポート体制が十分とれているかなど、一つずつ洗い出しましょう。

特にBtoBの場合、利用される商品・サービスが業務に直結することが多いので、少しの不具合でも解約につながるリスクがあります。 
初期サポートや導入後のフォローアップ体制の有無、問い合わせ対応にもスピーディに応えられるかどうかでも、顧客満足度に影響してくるでしょう。

また、競合が多い市場では、他社との価格やコストパフォーマンスを比較されることも多いです。
同じくらいの品質・機能でも、競合他社のほうが価格が安ければ解約率も高まる可能性があるでしょう。

顧客ニーズの分析不足

顧客ニーズの分析不足もチャーンレート悪化の要因のひとつです。
商品・サービス品質そのものに問題がない場合でも、ニーズに合わない商品・サービスを提供していれば解約率上昇リスクが高まるでしょう。
例えば顧客が求めるより、機能・サービスが多すぎたり複雑すぎる場合や、直感的な操作ができないなどの理由で、短期離脱につながる可能性があります。

的確な分析を行うためにも、顧客に対して適切な商品・サービスを提供できているか、定期的な確認が必要です。
DMやアンケートによる調査や、アフターフォローを強化するなどして、顧客の満足度や要望を確認し、よりよい関係を構築することが求められるでしょう。

顧客を取り巻く環境の変化

チャーンレートの上昇は、顧客の環境変化により、契約している商品・サービスが不要となり解約に至ったことが要因となる場合もあります。
例えばBtoBの場合は事業規模の拡大または縮小による解約、もしくはダウングレード、BtoCにおいても、生活環境や家族構成の変化による解約などが考えられます。

顧客側の状況変化によるチャーンレートの上昇は、商品・サービスを提供する側の努力だけでは対策が難しい部分もあります。

ただ、環境の変化には、競合他社の台頭や規制の変更、新たな技術などにより、従来の商品・サービスの価値が変動するような場合も考えられます。
顧客側の変化に対応できるよう市場の動向を注意深く見守り、サービスの見直しや代替案を提案するなど、変化が起こったときに柔軟に対応できる体制が必要になるでしょう。

低いチャーンレートを維持する対策方法

チャーンレート改善には適切な対策が重要です。
解約率を下げ、低い状態を維持する対策方法についても見ていきましょう。

顧客離脱の原因分析

チャーンレート改善には、顧客が解約した原因の分析が必須です。
解約理由を把握する方法としては、解約時に実施するアンケート調査や、解約前の利用データの分析、カスタマーセンターへの問い合わせ内容の把握などがあげられます。

分析を行うことにより、企業側が気付かない不満やギャップが現れることがあります。
もしかすると、価格やサポートに対する不満や、商品・サービスの使いにくさが解約につながっているかもしれません。
あるいは、アンケートで特定の機能を利用していない顧客の解約率が高いことがわかることもあるでしょう。

顧客の不満や解約理由がわかれば、契約中の顧客に対し機能改善や、使い方の説明の見直しをするなどの対応が可能です。
解約を検討中の顧客に対しても、商品・サービスの魅力やメリットが正しく伝われば、チャーンリスクを回避し、解約率上昇を防ぐことにもなるはずです。

直接的な顧客の声を積極的に集めて分析し、改善につなげることは解約のリスクを早期に察知し、チャーンレートを下げるために必要不可欠と考えられます。

顧客エンゲージメントの向上

顧客ニーズへの対応強化も、チャーンレート低下に大いに影響を与えると考えられます。
一人ひとりに合わせた情報、商品・サービスが提供できれば、顧客エンゲージメント向上、解約率低下、LTV(顧客生涯価値)向上にもつながるでしょう。

自社に愛着を持ってもらうには、顧客との接点を丁寧に扱い、フォローを継続することが重要です。
具体的な対応方法としてはヘルススコアの導入や、パーソナライズを重視した定期的な情報提供などがあげられます。
情報提供については、顧客の属性情報や閲覧状況、購買履歴などの分析をもとに、おすすめ商品やサービスの情報提供、メールマガジンやコンテンツの配信などを行いましょう。

ヘルススコアは顧客の利用頻度や問い合わせ状況などの要素を数値化した指標です。
スコアを算出することで、数値が低い顧客に対して重点的なフォローが可能となり、離脱を防止する手段のひとつになると考えられます。

顧客サポートを強化による顧客ロイヤリティ向上

商品・サービス利用時のサポート面の強化も、悪化したチャーンレートの改善策として効果的です。
サポート例としては問い合わせ窓口を複数用意したり、FAQページの充実、導入後のチュートリアル配布や特典の提供などがあげられます。
トラブルが起こっても、顧客が迅速に問題解決に到達できるようにフォローアップ体制を整えましょう。

サポートを手厚くすることは顧客ロイヤリティ向上にも効果的です。
顧客ロイヤルティが高まるほど、顧客の感じる商品・サービスへの愛着や信頼関係の構築も深まり、アップセルも検討してくれやすくなります。
結果的に競合他社への乗り換えによるチャーンレート悪化防止や、LTVの向上も期待できるでしょう。

なお、顧客ロイヤリティを可視化する方法として、NPS(ネットプロモータースコア)を活用するのもおすすめです。
NPSは「この製品・サービスをほかの人に勧める可能性はどのくらいあるか」を0~10点でユーザーに評価してもらい、推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出する数値です。
NPSの数値が高いほど顧客が定着しやすく、売上や収益にも直結するといわれています。

その他、カスタマーサクセスやオンボーディングを強化することも、チャーンレートを引き下げるために有効な手段と考えられます。

定期的な価格体系の見直し

チャーンレートの改善には、価格体系の見直しや、料金プランの多様化も検討する必要があるでしょう。
市場には常に、より機能性が高く、安価な商品・サービスが登場します。
契約当時は最適だった料金プランでも、時間がたてば優位性が失われることがあります。

競合他社の優位に立ち、自社が選ばれ続けるためには、既存の価格設定が適切かどうかチェックし、顧客にとって最適な料金プランを提示することが重要です。
顧客ニーズや競合他社との状況によっては、複数の料金プラン設定やアップセルやクロスセルへの促進、利用の一時停止などの柔軟な契約条件の提示なども必要になるでしょう。

マーケティング段階の分析を強化

チャーンレートが高くならないようにするには、マーケティング段階での分析を強化するのも重要です。ペルソナや、営業段階におけるフィルタリングなどを適切に設定することで、適切なターゲットに情報を提供できます。

必要とする一般消費者に商品・サービスを届けられれば、自然と長期利用から事業の安定化、チャーンレートの低減にも効果が期待できるでしょう。

インサイドセールス活用で効率的なマーケティングと個別ニーズ深掘り

顧客の離脱を防ぐにはマーケティングによる分析が重要ですが、自社だけで正確かつ迅速なマーケティングを行うのは困難な場合もあるでしょう。
そんなときはインサイドセールスを利用するのもひとつです。

例えばASHIGARUでは単に商談獲得を目指すのではなく、ターゲティングやインサイトのヒントをマーケティングやセールスに伝えるスタイルをとっています。
連携を図ることにより、顧客のニーズをより深堀りし、低い数値でのチャーンレート維持にも貢献できるはずです。

事業の成功・推進にチャーンレート改善は必須!状況把握と適切な対策を

顧客離脱を示す指標であるチャーンレートは、事業の継続・安定化に必要不可欠な存在です。
高い解約率は収益減少に直結し、事業の成長にも大きく影響するため、原因究明と分析、顧客サポートなど改善点を見出し、適切な対策を講じる必要があります。

低いチャーンレートを維持するには、定期的なモニタリングも必要です。
管理ツールや分析ツールの活用や、ASHIGARUのようなマーケティングに実力があるインサイドセールスを利用するのも、チャーンレートを引き下げるのに有効な手段となるでしょう。

いち早く顧客ニーズを察知し、商品・サービスに反映させることにより、顧客満足度や顧客エンゲージメントの向上にも効果が期待できます。
最終的には顧客の離脱を防ぎ、解約率の抑制や収益の安定化、事業の成長にもつながっていくでしょう。

関連記事

資料請求・お問い合わせはこちら