利益率を上げるアップセル・クロスセルとは?効果的なアプローチ方法や成功事例を紹介
利益率を上げるための施策として、アップセル・クロスセルが注目されています。
新規顧客の獲得が難しくなっているなかで、既存の顧客に働きかけて売上につなげることが可能だからです。
しかし、施策の方法やタイミングを間違えると、顧客の不信感や反感を買う恐れもあります。
不信感から顧客離れを生むリスクを抱えるなかで、アップセル・クロスセルに踏み切れない企業も多いのではないでしょうか。
ここでは、アップセル・クロスセルのメリットや成功するためのポイント、成功事例をご紹介します。

目次
クロスセルとは
クロスセルとは、とある商品の購入を検討している顧客に対して、別の関連商品も勧めることで購入を促す手法です。
顧客の購買意欲を高め、追加購入という自然な形で利益を伸ばすことができます。
例えば、Microsoft365 Businessは、どの機能が含まれるかによって細かい料金プランが設定されています。
プランに入会しようとすると「月額○○円のCopilotでパワーアップしましょう」と表示されます。
このように、オプションや関連商品を一緒に勧めることがクロスセルです。
ほかに、バンドルされている商品もクロスセルの一部です。
クロスセルでは、別の商品の価値も一緒に提供することで、さらなる利益を生み出します。
そのため、勧める商品は顧客のニーズに沿う必要があります。
追加購入の商品も、顧客にとって価値のあるものでなくてはなりません。
アップセルとは

アップセルとは、今購入しているものよりも上位モデルの購入を促す手法です。
上位モデルの方が顧客にとって価値があるとアピールし、客単価を上げることで利益につなげます。
SaaSサービスを例に挙げます。
最初は無料プランで加入して使用できますが、月額料金を払うことでよりよいサービス・機能を使えると勧めることがアップセルです。
どうして上位モデルを勧めるのかを顧客に理解してもらう営業が必要となります。
顧客に、今よりも少しお金を出したらよりよい価値・メリットを得られるとアプローチすることが重要です。
また、アップセルと反対の手法にあるのがダウンセルです。
あえて下位モデルの販売を勧めることで、商品の解約を防ぐ効果が期待できます。
ロイヤルティが低い顧客と長期的な関係を築くためのきっかけとして、適切なタイミングで実行しましょう。
ダウンセルによって一度は利益が下がってしまうかもしれませんが、解約されることによる大きな損失を防ぎます。
さらに、顧客をつなぎとめておくことで、次のアップセル・クロスセルの利益につなぐことができるので、長期的に見たときにプラスになる可能性があります。

アップセル・クロスセルを行うメリット
アップセル・クロスセルを行う大きなメリットは、新規顧客を開拓せずに利益アップを目指せることです。
なぜなら、顧客の数には限りがあり、新規の顧客を開拓するにも費用がかかってしまうからです。
もちろん、新規顧客を開拓し、獲得することは大切です。
しかし、現状さまざまな商品やサービスがあるなかで、新規顧客だけで利益を出し続けることは難しくなっています。
新規顧客に自社商品を見つけてもらうための広告費がかさむケースも考えられます。
だからこそ、既存の顧客を大切にし、顧客が求めるものをアップセル・クロスセルで提供することも視野に入れる必要があるのです。
既存の顧客のロイヤルティを向上させ、LTVを高めることで、安定した利益を生み出すことができます。
LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略で、日本語では「顧客生涯価値」といいます。
顧客生涯価値は、企業との取引開始から終了までの期間で、一人の顧客がどれほどの利益を出すかを計算したものです。
クロスセルやアップセルで既存の顧客のロイヤルティや単価が向上すると、LTVも向上し、新たな利益を獲得するという好循環が生まれます。
利益アップを目指すための有効な働きかけであり、メリットといえるでしょう。
アップセル・クロスセルを行うデメリット

アップセル・クロスセル施策を行うデメリットは、顧客の反感を買う可能性があることです。
なぜなら、アップセル・クロスセルで購入を促進することで顧客の単価が高くなり、負担が増えてしまうからです。
アップセル・クロスセルなどの施策は、ロイヤルティが高い顧客にとっては、新たな価値を提供してくれる商品・サービスとして好意的に受け止められることが多いです。
そのため、積極的なアップセルやクロスセルの施策が、LTVの向上につながります。
一方、ロイヤルティが低い顧客にとっては、現状の満足度があまりないのに値上げされたという受け止め方になり、不信感を抱く原因となります。
顧客の信頼や満足度がないと、新たな利益を見込めないだけでなく、施策によって反感を買い、解約に至る可能性も否定できません。
利益率を上げるには、単価を上げることが不可欠です。
しかし、ただ単価を上げるだけでは顧客の満足度が下がり、利益も上がりません。
顧客が離れないためにダウンセルで顧客をつなぎとめたり、商品の価値を訴求したりする必要があります。
また、顧客離れを防ぐ施策だけではなく、単価が上がっても継続的に購入してもらえるような顧客との信頼関係を構築することが必要です。
いずれの場合も、顧客の視点に立ち、長期的に利益率を上げられる施策を考えなければなりません。

効果的なアップセル・クロスセルで利益につなげる3つのポイント
利益を上げるために欠かせないアップセル・クロスセルの施策には、成功率を上げる効果的な実践方法があります。
アップセル・クロスセルを成功させるために大切なことは次の三つです。
- ロイヤルティが高い顧客の傾向を分析する
- 顧客のニーズをとらえる
- 顧客満足度を損なわない営業のタイミングを考える
顧客のための行動が、LTVやロイヤルティを伸ばし、利益を上げることにつながります。
施策の成功率を上げるために課題となる三つを詳しくみていきます。
ロイヤルティが高い顧客の傾向を分析する
ロイヤルティが高い顧客は、新たな商品に価値を感じてさらなる購入につなげやすいです。
そのため、どのようなところに商品の価値を感じているのかを分析することで、ほかのロイヤルティの顧客にも通じる戦略を考えることができ、利益につなげることができます。
例えば、ロイヤルティの高い顧客が化粧水Aと美容液Bをセットで購入しているなら、AとBのバンドル(クロスセル)を提案します。
よく売れている商品を最初からセット販売にすることで、売上の相乗効果が期待できるでしょう。
さらに、今まで化粧水Aしか知らなかった顧客にとって、新たに美容液Bを知る機会となり、今後の追加購入を見込めるきっかけとなるのです。
このように、ロイヤルティが高い顧客の傾向から、あらゆるロイヤルティの顧客満足度につなげる販売や戦略を考えることができます。
顧客のニーズをとらえる
顧客が商品のどのようなところに価値を感じているのかを正確にとらえることで、クロスセルやアップセルなどの施策を講じることができます。
そのためにアンケート調査やNPS調査を実施し、ニーズを分析します。
NPS調査とは、Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略で、フレッド・ライクヘルドが提唱した調査方法です。
顧客ロイヤリティや顧客の継続利用意向を知るための指標として、顧客に対象の商品やサービスを知り合いに勧めたいかを10点満点で聞きます。
高ロイヤルティの推奨者が9点~10点、中立者が7点~8点、批判者が0点~6点です。
顧客をロイヤルティ別に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いた点数がNPSのスコアとなります。
その商品やサービスが、他人に勧められるほど価値があるものかどうかを知ることができる調査となっています。
調査からニーズを分析した結果、顧客が商品に「安くてたくさんあること」の価値を感じているなら、アップセルでさらに大容量のものを売る提案をし、利益を生み出します。
顧客の視点に立ち、ニーズに合わせた提案をすることが大切です。
顧客満足度を損なわない営業のタイミングを考える
三つ目は、顧客満足度を損なわない営業のタイミングを考えることです。
なぜなら、しつこい営業活動は顧客の不信感をつのらせ、顧客満足度を下げてしまうことにつながるからです。
満足度やロイヤルティが下がると、サブスクリプション型サービスなどの契約更新の際に悪影響を及ぼします。
新たな提案のハードルが高くなるだけでなく、今の契約を解約されて損失につながる恐れがあるため注意が必要です。
そうならないためにも、営業のタイミングが重要です。
欲しいものを購入する流れでクロスセルの提案をしたり、無料のお試し期間が終わるタイミングで有料のアップセルの提案をしたり、必要かつ自然なタイミングを考えましょう。
顧客の視点に立って、便利だと思ってもらえるタイミングでの営業が大切です。

アップセル・クロスセルの成功事例

効果的な施策を行うポイントを知ることで、施策の成功率を上げることができます。
ここでは、施策のポイントをおさえたアップセル・クロスセルを用いて売上アップに成功した事例を紹介します。
【クロスセル】Amazonの場合
クロスセルを活用している企業の代表はAmazonです。
商品購入の際に、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」とほかの商品を自然に勧めています。
クロスセルの提案により、顧客は購入し忘れ防止による満足度を高めたり、企業への信頼や愛着を抱いたりするでしょう。
企業にとっては、顧客の購買意欲を高めることで、新たな利益につなげられます。
クロスセルにより、顧客とWin-Winの関係を築くことが可能です。
顧客の視点に立った提案や営業のタイミングをおさえることがポイントです。
押し売りにならずに顧客満足度を高めつつ、利益を生み出すことに成功しています。
参考:amazon公式サイト
【アップセル】ヤクルト球団の場合
アップセルの成功事例は、ヤクルト球団です。
球団の公式ファンクラブには、ライト会員からプラチナ会員まで6段階の会員ランクがあります。
さらに顧客に満足してもらい上位モデルへの入会を増やすために、NPS調査でファンクラブの何に価値を感じているのかを分析しました。
すると、顧客はファンクラブの記念品を重視していることがわかったので、2017年度より記念品を選択できるようにしました。
最上位モデルのプラチナ会員で記念品カテゴリーAから1つ、カテゴリーBから1つ選択でき、ゴールドランクでは記念品カテゴリーBから2つ選択できます。
その結果、プラチナ会員の登録者数が前年度と比べて大幅に増加しました。
顧客ニーズを見直し、顧客に寄り添う上位モデルへ改良して入会を増やすことに成功しました。
顧客の視点に立ち、よりよい価値を提供することで利益を生み出すことができる成功事例です。
利益率を上げるならASHIGARUへ
利益率を上げるための戦略であるアップセル・クロスセルを、成功事例や成功ポイントとあわせてご紹介しました。
顧客のニーズを把握し、顧客の利益のために行うアップセル・クロスセルで、企業も顧客もWin-Winの関係を目指しましょう。
アップセル・クロスセルの実施方法は企業によってさまざまです。
利益を上げるための施策を行う場合は、今ある商品の価値や現状の分析は欠かせません。
分析結果をもとに、効果的な施策や営業方法を考える必要があり、なかなか手が回らずにいる企業も多いかと思います。
そんな利益率を上げるための施策にお困りの企業は、ぜひ一度ASHIGARUにご相談ください。
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