Blog

  1. HOME
  2. ブログ
  3. Column
  4. カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは【解約率低下とLTV最大化の鍵】
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは、顧客がプロダクトを導入してから使いこなせるようになるまでの支援プロセスである。2024年から2025年にかけて、SaaSやサブスクリプション型ビジネスで重要性が高まっており、早期に成功体験を創出し信頼関係を構築することが不可欠である。解約防止とLTV(顧客生涯価値)最大化の鍵となり、チャーンレート低減や顧客満足度向上に直結する。ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチというタッチモデルを使い分け、チュートリアルやマニュアル、セミナー、チャットボットといった施策を組み合わせることで、効率的かつ効果的な支援を実現できる

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは【解約率低下とLTV最大化の鍵】

カスタマーサクセスとは、顧客の成功を能動的に支援し、継続利用と満足度向上を実現する取り組みです。

サブスクリプション型ビジネスやSaaSの成長において、オンボーディングは欠かせない重要なプロセスとなっています。
2024年から2025年にかけて、多くの企業がカスタマーサクセスに注力し、特にオンボーディングフェーズでの顧客体験向上に取り組んでいます。

本記事では、オンボーディングの定義から具体的な実行方法、成功のポイントまで解説します。

オンボーディング支援で顧客満足度向上はASHIGARUへ

カスタマーサクセスとオンボーディングの基礎知識

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングは、顧客の成功を左右する重要なフェーズです。

オンボーディングとは何か

オンボーディングとは、顧客がプロダクトを導入してから使いこなせるようになるまでの支援プロセスを指します。
オンボーディングプロセスは成功体験を早期に創出し、信頼関係を構築します。

SaaSでは継続利用が収益の基盤です。導入初期に課題でつまずくと早期解約につながります。
成否が顧客生涯価値(LTV)や顧客満足度を左右するため重要視されています。

オンボーディングの役割

カスタマーサクセスは顧客の成功を能動的に支援し、伴走しながら課題解決を図る取り組みです。
オンボーディングは操作マニュアルの配布やチュートリアルに終わらず、顧客が求める成果を実現し、プロダクトの価値を実感できるまで段階的にサポートを展開します。

アダプションとの関係性

次のフェーズが「アダプション」です。

アダプションは顧客がサービスを使いこなし業務に定着させる支援を指します。
オンボーディングで基礎を築き、アダプションで深める流れが顧客ライフサイクルを通じた継続的な価値提供につながります。

その後「エクスパンション(Expansion)」となり、アップセルやクロスセルを促進します。

オンボーディングが重視される理由

オンボーディングプロセスは、解約防止、LTV(顧客生涯価値)最大化、顧客ロイヤリティ向上という3つの重要な成果をもたらす。SaaSやサブスクリプション型ビジネスでは、導入初期に顧客がつまずくとチャーンレート(解約率)が上昇し、継続利用が困難になる。早期に成功体験を創出し、プロダクトの価値を実感してもらうことで、単価の高いプランへのアップグレードや関連サービスのクロスセルが実現しやすくなり、売上高の増加につながる。NPS(Net Promoter Score)といった重要業績評価指標(KPI)においても、オンボーディングの質が大きく影響し、長期的な信頼関係の構築と顧客満足度向上を実現する。2025年に向けて注力が加速している

2025年に向けてオンボーディングへの注力はさらに加速しています。
ここでは、なぜオンボーディングが重視されるのかを解説します。

解約防止への貢献

導入初期の段階で顧客がつまずくと、チャーンレート(Churn Rate)が上昇し、継続利用が困難になります。
特にSaaS市場では、顧客が「使いこなせない」「期待した成果が得られない」という不満を抱えると、すぐに解約という選択肢を取りやすいビジネスモデルです。
オンボーディングによって、こうした初期の課題を解消し、スムーズな運用を実現することで、解約を防ぎます。

LTV最大化への貢献

顧客生涯価値(LTV)を高めるには、長期的な継続利用が不可欠です。
オンボーディングで顧客との信頼関係を構築し、プロダクトの価値を実感してもらうことで、単価の高いプランへのアップグレードや、関連サービスのクロスセルが実現しやすくなります。
これにより、一人の顧客から得られる利益が向上し、売上高の増加につながります。

早期に顧客が成功体験を得られれば、アップセル・クロスセルの機会も生まれやすくなり、収益の拡大につながります。
また、満足した顧客は口コミやリファラル経由での新規顧客獲得にも貢献し、マーケティングコストの削減にもつながります。

顧客ロイヤリティの向上

丁寧なオンボーディングを通じて、顧客は企業に対する信頼を深めます。
NPS(Net Promoter Score)といった顧客ロイヤリティを測る重要業績評価指標(KPI)においても、オンボーディングの質が大きく影響します。
顧客が「このサービスを他の人にも勧めたい」と感じる体験を提供することで、長期的なパートナーシップの構築が可能になります。

新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客の維持コストに比べて高いとされています。
オンボーディングに投資することで、既存顧客の定着率を高め、費用対効果の高い成長を目指すことができます。

オンボーディング支援で顧客満足度向上はASHIGARUへ

オンボーディングの具体的な進め方【5ステップ】

効果的なオンボーディングには、体系的なアプローチが必要です。

1.ゴール設定

明確なゴールを定義します。主要機能の利用開始など、具体的な指標を設定しましょう。
重要業績評価指標(KPI)も設定し、PDCAサイクルを回します。

2.顧客の状況把握

営業担当者からの引き継ぎ情報を確認し、顧客が求める成果をヒアリングします。
抱える課題やニーズを理解し、アプローチをカスタマイズします。

3.タッチモデルの選定

顧客のLTVや規模に応じて、最適なタッチモデルを選択します。

ハイタッチ

大口顧客に対する手厚い個別サポートです。専任担当者が伴走し、定期的なレクチャーを実施します。

ロータッチ

中堅層に対し、セミナーや勉強会と個別対応を組み合わせます。

テックタッチ

小規模顧客に対し、チュートリアル、チャットボット、ツールチップ、マニュアル、メルマガなどを活用した自動化支援を行います。

4.施策の実施

タッチモデルに基づき施策を展開します。スムーズな導入のためのガイダンス、チュートリアルやマニュアルの配布、セミナーの開催、ナレッジベースの構築、チャットボットによる対応、カスタマーサクセス担当者による伴走型サポートなどです。

5.効果測定とPDCA

設定したKPIに基づき、オンボーディングプログラムの効果を測定します。
フィードバックやアンケートを収集し、成功事例や課題を分析し、継続的な改善アクションを実行します。PDCAサイクルを繰り返し、顧客満足度の向上を目指します。

オンボーディング成功のための重要ポイント

オンボーディング成功には、顧客理解を深める定期的なコミュニケーション、早期の成功体験創出、効率化ツール活用、適切なサポートという4つのポイントが不可欠である。ヒアリングやアンケートを通じて顧客が求める成果や抱える課題を把握し、つまずきやすいタッチポイントで段階的な支援を展開する。テックタッチではチュートリアル、マニュアル、チャットボット、ツールチップを活用し、ノー・コードで実装できるツールにより工数削減と効率的なセルフオンボーディング環境を整える。ハイタッチでは専任担当者が伴走し、手厚い個別レクチャーで大口顧客のゴール達成を支援する。導入事例や成功事例を共有し、定期的なフォローアップでスムーズな定着を促進することが重要である

オンボーディングを成功に導く重要なポイントを解説します。

顧客理解を深める

定期的なコミュニケーションで顧客の声を拾い上げましょう。
ヒアリングやアンケートを活用し、顧客が求めることや抱える課題を理解します。

優れた顧客体験を提供する

導入初期に成功体験を創出することが重要です。スムーズな操作性や、価値を実感できる機能を通じて、成果や課題解決の具体例を示します。

効率化とツール活用

テックタッチのアプローチでは、ノー・コードで実装できるツールや、チャット、ツールチップを活用し、効率的に支援を展開します。工数を考慮し、最適なツールで質と効率を両立させます。

定期的にフォローアップを行い、担当者変更時もスムーズに使いこなせるよう支援しましょう。

適切なサポート

顧客がつまずきやすいタッチポイントを把握し、支援を提供します。段階的に学習できるオンボーディングプログラムで理解度を高めます。
導入事例や成功事例を共有し、自社でも成果が得られるイメージを持ってもらいましょう。

オンボーディング支援で顧客満足度向上はASHIGARUへ

タッチモデル別のアプローチ戦略

顧客のセグメントに応じた最適なタッチモデルの選択が、オンボーディング成功の鍵です。

ハイタッチの特徴と実践方法

大口顧客に対しては、手厚い個別サポートを提供します。
専任のカスタマーサクセス担当者が定期的なレクチャーで顧客のゴール達成を伴走します。
カスタマイズされた提案や運用支援で信頼関係を構築します。LTVの高い顧客に集中して展開することが重要です。

ロータッチの特徴と実践方法

中堅層の顧客には、セミナーや勉強会などの一対多の手法と個別対応を組み合わせます。
コミュニケーションやメールでの情報共有を活用し、効率的にサポートします。

テックタッチの特徴と実践方法

小規模顧客には、テクノロジーを活用した自動化支援を行います。
チュートリアルやマニュアル、チャットボット、ツールチップを駆使し、セルフオンボーディングできる環境を整えます。工数削減と効率化を実現します。

また、社内向けのサポート体制強化として、AIチャットボット「IZANAI」のような問い合わせ対応ツールを併用することで、顧客の疑問解決を効率化できます。

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの組み合わせ

顧客の成長や状況の変化に応じて、タッチモデルを柔軟に切り替えることも効果的です。
導入初期はハイタッチでサポートし、定着したらロータッチやテックタッチに移行します。複数のタッチモデルを組み合わせ、顧客満足度を高めます。

各タッチモデルで、顧客の接点(タッチポイント)を明確にし、段階ごとに支援を設計しましょう。

オンボーディングで設定すべきKPI

オンボーディングの成否を判断するには、複数の重要業績評価指標(KPI)を組み合わせた効果測定が不可欠である。主要なKPIは、オンボーディング完了率(主要機能の利用開始など具体的な指標で定義)、チャーンレート(解約率の低減がLTV向上と収益に直結)、NPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤリティを測る指標)、アップセル・クロスセル率(上位プランへのアップグレードや関連サービス追加契約の割合)、アクティブ率(サービス利用頻度の測定)である。これらの指標を定期的に分析し、PDCAサイクルを回すことでオンボーディングプロセスの質を高める。顧客満足度向上と継続的な改善アクションの実行により、目標達成状況を明確に把握できる

KPIの適切な設定と測定が、オンボーディングの改善と成果につながります。

オンボーディング完了率

顧客が使いこなせる状態になった割合を測る指標です。主要機能の利用開始など、定義を設定します。定着と継続につながります。

チャーンレート(解約率)

一定期間内に解約した顧客の割合を示します。この指標の低減が、LTVの向上と収益につながります。

NPS(Net Promoter Score)

顧客ロイヤリティを測る指標で、サービスを他者に勧める可能性を評価します。
オンボーディングでよい体験を提供できれば、NPSが向上します。

アップセル・クロスセル率

上位プランへのアップグレードや関連サービスの追加契約の割合です。
プロダクトの価値を実感してもらえれば、アップセルやクロスセルの機会が増え、顧客単価の向上につながります

アクティブ率

顧客がサービスを利用している頻度を測定します。この指標が低い場合、支援やフォローアップが必要です。

複数のKPIを組み合わせ、オンボーディングの成否を判断します。定期的にKPIを振り返り、目標の達成状況を確認しましょう。

オンボーディング支援で顧客満足度向上はASHIGARUへ

オンボーディングでよくある失敗と対策

代表的な失敗例は、初回レクチャーだけで完了と判断しフォローアップを怠ること、全顧客に同じアプローチで個別のニーズに対応しないこと、機能説明に終始し成果や課題解決に焦点を当てないこと、情報過多による混乱で段階的な学習を妨げること、利用状況のモニタリング不足で顧客の不満を察知できないこと、効果測定をせずKPI設定を怠ることである。対策として、定期的なコミュニケーションと段階的なサポートを継続し、顧客セグメント別に最適化したオンボーディングプログラムを展開する。成功事例を共有してプロダクトの価値を実感してもらい、優先順位を明確にした情報提供でスムーズな理解度向上を図る。PDCAサイクルを回して継続的な改善を繰り返し、組織内でナレッジを蓄積することが重要である

失敗パターンを理解し、事前に対策を講じることで、成功率を高めることができます。
代表的な失敗例と対策を紹介します。

初回レクチャーだけで完了と判断

一度のレクチャーでは、顧客の理解度は十分ではありません。その後のフォローアップを怠ると、顧客がつまずき、不満を抱える原因となります。
定期的なコミュニケーションと、段階的なサポートを継続することが大切です。

すべての顧客に同じアプローチ

顧客ごとに状況やニーズは異なります。画一的なオンボーディングプログラムでは、効果が限定的です。顧客セグメント別に最適化し、個別のニーズに対応することで、満足度を高めましょう。

機能説明に終始

単に操作方法を教えるだけでは、顧客はプロダクトの価値を実感できません。
顧客が求める成果や課題解決に焦点を当て、成功事例を共有することで、「使いこなせる」という自信を持ってもらいます。

情報過多による混乱

一度に多くの情報を詰め込みすぎると、顧客は混乱し、理解度が低下します。
段階的に情報を提供し、優先順位を明確にすることで、スムーズな学習を促進します。

フォローアップ不足

導入後の課題や疑問に気付けないと、顧客の不満が蓄積し、解約につながります。
定期的なヒアリングや利用状況のモニタリングを通じて、早期に課題を発見し、解消しましょう。

効果測定をしない

KPIを設定せず、効果測定を怠ると、改善すべきポイントが不明確になります。
定期的に指標を分析し、PDCAサイクルを回すことで、オンボーディングプロセスの質を高めます。

失敗から学び、改善を繰り返すことが、オンボーディングの成功につながります。組織内で成功事例や失敗事例を共有し、ナレッジを蓄積することで、全体のレベルアップを図りましょう。

オンボーディング成功でビジネスを成長させる

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングは、顧客の成功体験を早期に創出し、継続利用と満足度向上を実現する重要なプロセスです。
解約率の低減、LTV最大化、顧客ロイヤリティの向上、アップセル・クロスセルの促進といった成果を得るには、計画的なオンボーディングプロセスの設計と継続的な改善が不可欠です。

ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチというタッチモデルを使い分け、チュートリアルやマニュアル、セミナー、チャットボット、ツールチップといった施策を組み合わせることで、効率的かつ効果的な支援を実現できます。
KPIの設定と定期的な効果測定を通じて、PDCAサイクルを回し、オンボーディングの質を高め続けることが、長期的な成功をもたらします。

ASHIGARUは、カスタマーサクセス支援を通じて顧客満足度向上とビジネス成長を実現します。
オンボーディングプログラム構築からKPI設定・効果測定まで、貴社の課題に合わせて伴走し、成果を導きます。

よくある質問

カスタマーサクセスとオンボーディングについてよくある質問をまとめました。

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは何ですか?

顧客がプロダクトを導入してから使いこなせるようになるまでの支援プロセスです。
早期に成功体験を創出し、信頼関係を構築することで、継続利用と満足度向上を実現します。

オンボーディングとアダプションの違いは

オンボーディングは導入初期に基礎を築く段階、アダプションはサービスを使いこなし業務に定着させる段階です。
オンボーディングで基盤を作り、アダプションで深化させる流れが継続的な価値提供につながります。

なぜオンボーディングが重視されるのですか?

導入初期の顧客のつまずきが早期解約につながるためです。
解約防止、LTV最大化、顧客ロイヤリティ向上、アップセル・クロスセル促進といった成果に直結する重要なフェーズです。

タッチモデルとは何ですか?

顧客のLTVや規模に応じた支援方法の分類です。
ハイタッチ(大口顧客への個別サポート)、ロータッチ(中堅層へのセミナーと個別対応の組み合わせ)、テックタッチ(小規模顧客への自動化支援)の3種類があります。

オンボーディングの具体的な進め方は?

①ゴール設定、②顧客の状況把握、③タッチモデルの選定、④施策の実施(ガイダンス、チュートリアル、セミナーなど)、⑤効果測定とPDCAの5ステップで進めます。

オンボーディングで設定すべき主なKPIは?

オンボーディング完了率、チャーンレート(解約率)、NPS、アップセル・クロスセル率、アクティブ率などです。複数のKPIを組み合わせて成否を判断し、定期的に見直します。

テックタッチではどのようなツールを活用しますか?

チュートリアル、マニュアル、チャットボット、ツールチップ、メルマガなどを活用し、セルフオンボーディングできる環境を整えます。工数削減と効率化を実現できます。

オンボーディングでよくある失敗は?

初回レクチャーだけで完了と判断、全顧客に同じアプローチ、機能説明に終始、情報過多による混乱、フォローアップ不足、効果測定をしないなどです。
段階的なサポートと継続的な改善が重要です。

オンボーディング成功のポイントは?

顧客理解を深める、早期に成功体験を創出する、効率化ツールを活用する、つまずきやすいポイントで適切にサポートする、導入事例・成功事例を共有する、定期的にフォローアップすることです。

タッチモデルは固定すべきですか?

いいえ。顧客の成長や状況変化に応じて柔軟に切り替えることが効果的です。
導入初期はハイタッチでサポートし、定着後はロータッチやテックタッチに移行するなど、複数のモデルを組み合わせて最適化します。

関連記事

資料請求・お問い合わせはこちら