Web接客を導入する理由 前編

ユーザーメリットで捉えるWeb接客
「おもてなしのデジタル化」

コロナ禍の現在、実店舗での販売やサービス提供が制限され、これまでWebへの進出に積極的でなかった事業の多くが、オンラインに活路を見出そうと整備を進めています。

今までEC化の進んでいたアパレル・家電業界はもちろん、飲食・教育などのサービスにおいてもオンライン化が進んでいます。

例えば国内EC(BtoC物販)は年間10兆円規模の市場となり、5年で1.5倍の成長率を見せています。
引き続き猛威を振るう新型コロナウィルスの影響で、益々市場は拡大すると言われています。

このようなECの本格展開に乗り出す新規参入者の増加に伴い、オンライン競争が激化する時代となり、当初は「ただ買い物ができれば良い」とサイトへ訪問していた顧客も、次第にサービスを求めるようになりました。
具体的に「ニーズに合った商品を紹介してほしい」「詳しく説明を聞きたい」という「オンライン上でも実店舗のような接客を受けたい」との需要が高まっています。

加えてECサイトを利用する高齢者も一気に増加しており、高齢者をスムーズに案内できるチャット機能などを備えた「Web接客ツール」に注目が集まっています。

「Web接客ツール」のご紹介にあたり、ユーザーサイドから見たメリットについて、身近なECサイトを例にあげながら、見ていこうと思います。

「Web接客」とは?

Web接客とは、実店舗と同じような接客をオンライン上で行うことです。

いわば「おもてなしのデジタル化」

ECサイトはあくまでユーザー全体に向けた訴求やコンテンツを発信しているものであり、実際の店舗のように顧客ひとりひとりの深層的ニーズに合わせた接客や提案が、難しいと言わざるを得ません。

当然訪問者の多いページであればあるほど、ニーズを満たすことのできない顧客が増えてしまうジレンマに陥ります。

その部分に焦点を当て、ユーザーひとりひとりにあわせた接客コミュニケーションを行うことで顧客の満足度を上げ、それを実現化させるツールを「Web接客ツール」といいます。

Web接客ツールの種類と用途とは?

Web接客ツールは「ポップアップ型」「チャット型」の2種類に大別されます。

ポップアップ型でできること

購入率改善やロイヤリティ向上を目的とした、ユーザーひとりひとり合わせたコンテンツを表示することが可能です。

・テキストメッセージ
・キャンペーン訴求バナー
・レコメンドシステムとデータ連携することによるレコメンドバナー
・メルマガ登録フォーム

一例を挙げますと、

初めてサイトに来訪したユーザー向けのトライアル商品を訴求するバナー設置
トライアル商品を購入後、ECサイトに再来訪したお客様向けに定期購入訴求

など、ユーザーひとりひとりの状況に合わせた訴求が可能となります。

チャット型でできること

ユーザーと実際にチャットを通じ、リアルタイムにコミュニケーションを取ることができるので、商品やサービスに対して疑問や不安を抱いているユーザーに対して、的確なアドバイスをすることができます。

これまでのメールや電話での問い合わせは、手間も時間も掛かり面倒だったため、実際に質問するところにまで至らず離脱に繋がっていました。
Web接客のチャット機能を使うことで、ユーザーが知りたい情報は、手軽に即座に提供されるようになります。

また「ECサイトでの買い物は難しい」と離脱してしまうシニアユーザーに対しても、チャットツールは親切なナビを提供できます。

さらに、多言語に対応している場合が多く、外国人ユーザーの言語も自動翻訳されるため、コミュニケーションがよりスムーズになります。

このようにチャット型は、主にユーザーの満足度に貢献するカスタマーサポート用途として利用されています。

最近はこのチャット型の有人対応を、AI(人工知能)型や人工無能型と言われる「チャットボット(chatbot)」で、オートメーション化させようという流れになりつつあります。

これはあらかじめ予想される質問し対して回答を用意するという、シナリオを作っておくため、24時間いつでも「接客」が可能となります。

さらに、ポップアップ型、チャット型、両方の機能を兼ね備えた「ハイブリッド型」のツールも存在し、機能が非常に豊富で、様々な活用が期待できます。

「Web接客」で期待できることとは?

EC業界の競争が過熱している一方で、実店舗に通う人がいるのも事実です。

総務省の調査によると「ECサイトを利用しない理由」として、ECショップの信頼性の低さ、ECサイトの仕組みの理解不足、実店舗スタッフからの情報が得られないなどが挙げられます。

Web接客ツールの強みを駆使すれば、このようなユーザーの不満を解消することに貢献できるはずです。
そしてECショップ未利用層の取り込みに繋がる一手となるでしょう。

今回は「Web接客」導入にあたって、ユーザーサイドから見たメリットに特化してご紹介いたしました。
次回は企業サイドから見たメリットについてご紹介させていただきますので、どうぞご期待ください!

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