解約阻止しながらLTVを上げる 後半

解約率を下げる合言葉はトークスクリプト

マーケティング活動において「新規顧客の獲得」というアウトバウンド業務と同じくらい、コンタクトセンター業務における「解約顧客の阻止」 「解約率の抑止」(リテンション戦略)が重要だという解説をいたしました。

解約阻止という命題において、当然SVやオペレーターには顧客ひとりひとりに対し、事例・状況ごとに最適な会話内容を選ぶスキルが求められるでしょう。

しかしながら、誰もがそのようなスキルをスムーズに身に付けられるとは限らず、企業姿勢を意識しながら、そのような対応が望ましいかを統一することは、さらに難易度が高まります。

そのような課題を解消するために「トークスクリプト」があります。

トークスクリプトとは

トークスクリプトとは、顧客の課題に沿った対応方法を事前に用意する「スクリプト(台本)」のことを指します。

単一化されたマニュアル台本ではなく、顧客のタイプ・質問内容・状況に合わせた会話や対応法の施策について、いくつかの会話プロセスを設定し作成するという特徴があります。

顧客や状況に応じて最適なトークスクリプトを選択できるようにあらかじめ準備しておくことが大切だと言えるでしょう。

トークスクリプトの作り方

音声データを活用

コンタクトセンターではデータ分析のため、コール内容を録音していることが多く、これらはオペレーターの品質の向上に使われることが多いですが、トークスクリプトを作成する場合にも大変役立ちます。

実際にオペレーターと顧客の会話を分析することで、より最適な誘導法などを見出すことができるでしょう。

顧客の立場になって作る

トークスクリプトを作る際の盲点は、一方的にオペレーターが話し続けるスクリプトになってしまうことです

これは次のプロセス確認ばかりに気を取られて、顧客の状況を忘れがちになってしまうからです。

マニュアルを押し付けるような印象にもなってしまう為、自然な会話を想定し、顧客が考え回答する時間もスクリプトには盛り込むようにしましょう。

顧客の返答を想定する

コンタクトセンターは顧客からの問合せあってのものです。

顧客の返答に合わせた対応法をあらかじめ想定することが大切であり、状況ごとに返答のバリエーションを踏まえ、複数のトークスクリプトを作成するようにしましょう

解約阻止のポイント

顧客心理を受け止める

まずは「かしこまりました。解約でございますね。」と顧客のニーズをしっかり受け止め安心してもらうことが第一です。

解約の申し出が受け入れられ、解約手続きなどについてのやり取りが一通り完結して初めて、顧客にはオペレーターの会話や提案を聞くゆとりが生まれます。

解約理由のヒアリング

次のポイントが解約理由のヒアリングです。
「不手際や失礼な点などございましたでしょうか?」と解約理由が企業側の落ち度であったか尋ねましょう。

そうすることで解約へ至るきっかけを話して頂く一文となるでしょう。

顧客が解約に至った理由は様々ありますが、共通して「商品・サービスに満足していない」「不愉快な思いをした」「費用対効果が悪いなど料金を払いたくない」という理由があるはずです。

解約をカスタマーセンター等で受け付けている企業であれば、優秀なオペレーターは継続のメリットではなく、顧客の状況や解約理由をヒアリングします

その上で、プランの変更や使用方法の再提案をするのです。

機能・メリット・使用方法などを再度アナウンスする

例えばSaaSに代表されるサブスクリプションビジネスなどでは、会員限定で使える機能について顧客自身が知らないまま解約に至ってしまうと勿体ないケースもあります。

その場合、機能やメリットを再度お伝えしリマインドするのです。

また化粧品・健康食品などのEC通販を利用した定期購入などでは、消耗品ということもあり「使い切れず余る」「飲み忘れてしまう」「実感できない」といったチャーン理由がよく挙がります。
そこで使用頻度や容量など、解約理由に対応した提案に納得してもらえると、解約を思い止まる顧客も一定の割合でいると知られています。

得られるものではなく失うものに焦点を当てる

多くの企業が、購入金額に応じてポイントを発行して場合があります。

その場合、解約することでポイントを消失してしまうというアナウンスをすることで、解約を無理に引き留めるのではなく、「会員を終了すると次の会員特典をご利用いただけなくなります」など、得られるものではなく失うものに焦点を当てる表現方法なども有効でしょう。

顧客との 繋がり強化 の重要性

このように解約阻止のポイントは、顧客と密にコミュニケーションを取りながら、顧客に寄り添うことが大切です。

最近では顧客とのつながりの強化を目指し、高精度のチャットボットで年中無休の質疑応答を支援するというカスタマーサクセスツールもありますが、解約を希望した顧客に、このチャットボットで理由を質問しながら対話していくことで、「解約防止率が12%までアップした」という事例もあるほどです。

昨今、コンタクトセンターにも上記のような利益(売上)への貢献が求められています

しかしながらバックオフィス業務に割ける人的リソースは限られており、コア人材をアサインし辛い領域ですが、顧客との接点であることは間違いありません。

弊社のサービス「ASHIGARU」のスタッフは「元・営業ハイパフォーマー」のみ。

つまり「常に最前線で営業として顧客と折衝してきた『攻め』のスペシャリストが、カスタマーサクセスなどのいわゆる『守り』の業務」を行うことにあります。

単なる顧客に対する電話対応に終わらない、LTVを最大化させるということを得意にしています。
生産性の向上にとどまらず、クレーム処理からの解約阻止はもちろん、そこからの自然なクロスセルやアップセルこそ「ASHIGARU」の真骨頂です。

これを機会に、弊社の「ASHIGARU」導入、ご一考頂けましたら幸いです。

ASHIGARUコラム