解約阻止しながらLTVを上げる 前半

解約率を下げる合言葉はデプスインタビュー

マーケティング活動においての大きな目的の一つとして「新規顧客の獲得」というものがあります。
この「新規顧客の獲得」というアウトバウンド業務に関しては、注力している企業は大変多いと思います。

しかしマーケティング活動において「新規顧客の獲得」と同じくらい重要ながら、意外と軽視されがちなのが「解約顧客を減らす」取り組みです。

解約率を下げる意義とは

一般的に、新規顧客を獲得し育成するためのコストは、既存顧客を維持するためのコストと比べ、7倍必要だと言われています。
また英国経済学者ヴィルフレド・パレートは「売上の8割は、全顧客の2割が生み出している」と「パレートの法則」で提唱しています。

言い換えると、たった2割の優良顧客を維持できれば、売り上げの8割を確保できるということです。

既存顧客の満足度を高めることで、継続利用を促進させる・・・つまり解約率を下げLTVを上げることで、確実に収益増加を生むことになります。

つまり既存顧客に追加サービスや上位のサービスを契約してもらうアップセル・クロスセルの施策を打つことや、製品・サービスへの満足度の高い顧客は紹介や口コミなどで新しいお客さまを連れてきてくれるのです。

コロナ禍という未曽有の危機下の中、市場の頭打ちや競合他社の多さもあり、新規顧客数を増やすには限界があります。
従って、いかに既存顧客を離反させないか、休眠させないかということが、企業の利益に大きく関わってくるのです。

解約率を下げるためのリテンション戦略

「解約阻止」は新規獲得ほどの派手さもなく、効果の測定も数値化しづらい部分もあるでしょう。
しかし減少したであろう売上を確保することは非常に重要な意味を持ち、CRMで成功するために避けては通れない道です。

さらに先述の通り「新規顧客の獲得」と比べ、必要経費が1/7と少なく費用対効果という点においても、企業にとって大変魅力です。
つまり利益、売上の安定化を目指すためにも、「新規顧客の獲得」と同じくらいの注力を以って「解決阻止」に当たるべきなのです。

事実、コールセンターで受電する最も多い問い合わせは「解約」です。

これは入電全体の5~6割を占めると言われており、解約理由は顧客によって違いますが、その商品・サービスに値段以上の価値を見出せない時に、顧客は解約という行動を起こします。

しかし一般的なコールセンターでは、10~20%の解約阻止率を叩き出せれば上出来と言われており、例えば化粧品や健康食品などのEC通販を利用している顧客が、定期解約や退会を希望した場合にそれを抑止・阻止することは、とても難しくハードルが高いと認識されています。

商品を新規購入・リピート購入するというモチベーションは、一度熱を失ってしまえば再燃するのは非常に難しいものです。

もちろん事例によって具体的な施策は違いますが、共通して言えるのは「継続的な顧客とのコミュニケーション」です。
オペレーターによる顧客との一対一のデプスインタビューを通し、「本当の解約理由」の調査・分析をすることが解約率改善に繋がります

つまり解約防止とは、「カスタマーサクセス」を目指すことなのです。

コンタクトセンターによるカスタマーサクセスの重要性

従来のようなカスタマーサポートでは、「お客さま対応」はコストとして扱われ、対応コストをいかに削るかということが求められていました。

しかしカスタマーサクセスでは、顧客とのコンタクトこそが収益に繋がるプロフィットセンターと考えられています。
これはSaaSを始めとするサブスクリプションビジネスの展開している現在では、主流の考え方となってきました。
顧客とのつながりの強化を目指して、高精度のチャットボットで、365日24時間体制で質疑応答を支援するカスタマーサクセスツールも台頭してきました。

そこでご提案したいのが、カスタマーサスティナビリティという弊社独自の新概念です。

サスティナビリティ=持続可能 という、カスタマーサクセスに時間の概念を加えたものです。

お客様のビジネスにおける様々なタッチポイントに、「生きたコミュニケーション」を提供することをミッションに持続可能な関係構築を目指すというものです。

弊社の新サービス「ASHIGARU」スタッフは「元・営業ハイパフォーマー」のみ。

「常に最前線で営業として顧客と折衝してきた攻めのスペシャリストが、カスタマーサクセスなどの守り業務」を行うことに意味があると思っています。

生産性向上に留まらず、クレーム対応からの解約阻止はもちろん、そこからの自然なクロスセルやアップセルこそ「ASHIGARU」の真骨頂です。

 

今回は「解約阻止」の企業メリットについてご説明させて頂きました。
次回は事例に応じたトークスクリプトについてご紹介させて頂きますので、ご期待ください!

ASHIGARUコラム