厳しさを増す経済状況下において、どのような業種であれ、新規顧客の獲得は死活問題!と尽力されていると思います。
しかしながら競合他社の多さや、市場の頭打ちもあり、新規顧客数を増やすには限界があります。
従っていかに既存顧客を離反させないか、休眠させないかということが、企業の利益に大きく関わってきます。
皆様、パレートの法則をご存知でしょうか?
イギリスの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した、別名「2:8の法則」と呼ばれる法則のことで、ズバリ「売り上げの8割は、全顧客の2割が生み出している」というものです。
言い換えれば、たった2割の優良顧客を維持できれば、売上げの8割を確保できるということになります。
マーケティング活動の大きな目的の一つとして「顧客をつくる」というものがありますが、意外と見落としていること・・・それは「解約客」を減らす取り組みです。
「見込み客情報の収集」「見込み客の育成」などアウトバウンド業務ばかりに注力しすぎてはいませんでしょうか?
せっかく顧客を増やしたとしても、同時に解約客が増えてしまっては、売上や利益を上げることは勿論、安定することにはなりません。解約防止に取り組むことが、結果として売上、利益の安定に繋がります。
昨今、コールセンターにも上記のような利益への貢献が求められています。
つまり電話応対での解約阻止、解約抑制です。
これは、商品、サービスの解約やキャンセルの電話をかけてきた顧客のお話を聞き、そうした行動を顧客が「思いとどまる」為の施策を打つことです。
実際にコールセンターで受電する最も多い問い合わせは、「解約」です。
一般に解約連絡が全体の5~6割を占めると言われており、いかに顧客に継続を維持して貰えるかが重要な点となります。
新規獲得ほどの派手さはありませんし、効果測定もしづらい部分もあるでしょう。
しかし放置しておけば減少したであろう売上を確保することは、非常に重要な意味を持ちます。
CRMで成功するために、避けては通れない道であることは確かなのです。
そして、うまくいけばクロスセル・アップセルにつなげることも可能です。さらに掛かる経費が少なく効率的な点も、企業にとっては大変魅力です。
そのための方針として、スクリプトに基づく対応ではなく、解約理由に応じたキーワードや方向性、過去に良かった応対などをカスタマーセンター全体で共有しながら、柔軟なコミュニケーションを取っていくことが必須です。
商品を購入するモチベーションは、ひとたび熱を失ってしまえば、再燃するのは非常に難しいもの。
原因によって、具体的な対処方法は違いますが、共通して言えるのは、「継続的な顧客とのコミュニケーション」です。
顧客が困っている時にその問題が解決できれば、例え顧客が企業に対して不満やクレームを持っていたとしても、良い印象に変わる可能性を孕んでいるのです。
そしてその印象がモチベーションアップへと繋がり、商品リピートへの橋渡しとなります。
実際に、健康食品や化粧品をEC通販にて定期購入しているお客様からの、解約希望のお申し出があった事例を取りますと、解約理由は「在庫が余っている」とのこと。
ここで大事なのはセールスマインドです。オペレーターはお客様のライフスタイルをお伺いしながら、在庫が余る理由をヒアリングしました。
どのようにその商品を使うと良いか、また配送頻度の調節をご提案をしたところ、定期購入を継続して頂くことに成功しました。
加えてそのようなコミュニケーションの中で、お客様の声を基礎に、新商品やセット販売のトークを行うこともあります。
現在のような超高齢化社会において、文字ではなく、電話での応対を希望する層が多いのも確かです。
通り一遍のアンケートだけではなく、SVやコミュニケーターによる解約者との一対一のデプスインタビューを通し、「本当の解約理由の調査をすること」。これが解約率改善に繋がります。
つまり解約防止とは、「カスタマーサクセス」を目指すことです。
カスタマーサクセスとは、文字通りに直訳をすると「顧客の成功」。
カスタマーサクセスのミッションは、自社の製品サービスを通じて、ズバリお客様(のビジネス)を成功に導くことです。
受動的に、顧客の顕在化された要望を満たすことのみのサポートではなく、潜在的な課題に対しても能動的にアプローチしていきます。
従来のカスタマーサポートでは、お客様対応はコストとして扱われ、対応コストをいかに削減するかが求められていました。
一方カスタマーサクセスになりますと、顧客とコンタクトを取り寄り添うことが収益につながる、プロフィットセンターとなります。
カスタマーサクセスがお客さまの成功を何よりのミッションとし、お客様をロイヤルカスタマーへと成長させることで、セールスに大きく寄与することができるようになるからです。
このように解約防止プログラムのノウハウやスキルは、大変奥が深く、コミュニケーターやSVのここでご提案したいのが、カスタマーサスティナビリティという弊社独自の新概念です。
サスティナビリティ=持続可能 という意味になりますが、カスタマーサクセスから時間の概念をプラスしたものです。
お客さまのビジネスにおける様々なタッチポイントに、「生きたコミュニケーション」を提供することをミッションに持続可能な関係構築を目指すというものです。
弊社の新サービス「ASHIGARU」のスタッフは「元・営業ハイパフォーマー」のみ。
つまり「常に最前線で営業として顧客と折衝してきた『攻め』のスペシャリストが、カスタマーサクセスなどのいわゆる『守り』の業務」を行うことにあります。
生産性の向上にとどまらず、クレーム対応からの解約阻止はもちろん、そこからの自然なクロスセルやアップセルこそ「ASHIGARU」の真骨頂です。