近年SaaSの台頭により、商品やサービスそのものの品質に加え、その購買体験や購入後のサポートを重視する消費者が増えています。
これは消費傾向がモノ消費からコト消費へと移行したためであり、商品を所有することよりも「顧客体験価値」を重視する時代になったことを示しています。
現代社会は、電話やウェブ、チャット、SNSなどあらゆるチャネルに顧客接点があり、顧客体験の対象になり得ます。
良質な顧客体験を提供することで、ブランドの価値は高まり、LTV(顧客生涯価値)が引き上がり、顧客のロイヤリティを高めることができるのです。
つまりCRM(顧客関係管理)を重要視する考え方が、企業の売上・利益に貢献することに繋がります。
これらを背景に、企業の窓口業務である従来の「コールセンター」から顧客との接点を良質な顧客体験へと導く「コンタクトセンター」へ、「カスタマーサービス」から顧客を成功へと導く「カスタマーサクセス」へとシフトする企業が増えています。
コールセンターにBPO導入するメリット
経営学では、フロントオフィス業務を含めバックオフィスは「コストセンター」として扱われます。
利益を生み出さない部門であるため、ツールの活用やRPAなど技術活用による効率化・自動化を以って、人員及びコスト削減を図るべき部門として見られるからです。
そこで今、コンタクトセンター(コールセンター)をインハウスで置くのではなく、外部に委託するBPO(Business Process Outsourcing/ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を導入する企業が増えていると、前編にてご紹介させていただきました。
後編ではコンタクトセンターをBPO化するメリットについて、ご紹介させていただきます。
コスト削減
自社にコンタクトセンターを立ち上げることでかかるイニシャルコスト・ランニングコストなど、あらゆるコストの削減が可能となります。
また人材確保・人材育成などの時間と手間がかからないので、コンタクトセンター業務を早期に開始できるのも大きな利点です。
サービスの品質向上
顧客との一番の接点であるコンタクトセンターの「応対品質」は、企業イメージに直結します。
SNSが発達している現代においては、より懸念すべきことです。
また、ニーズやクレームを的確に速やかに処理できているかという「処理品質」の水準も、担保しなくてはなりません。
オペレーターの習熟度不足によって、顧客の満足度に大きく影響し、満足度が低いとクレームやチャーンへと繋がってしまうからです。
これらをBPOベンダーへ委託することにより、既に熟練かつ専門的知識を有するオペレーターを確保できるため、応対品質・処理品質の向上が期待できます。
そして先述の通りSNSが発達している現代において、対応品質・処理品質の向上は、企業ブランドの価値まで向上させる可能性を秘めているのです。
セキュリティ対策を外注できる
コンタクトセンターでは、顧客の個人情報や各種マニュアルなど多くの機密情報を扱うため、漏洩は企業にとって死活問題となります。
BPOベンダーは「ISMS認証」を取得しており、機密保持・個人情報保護などのセキュリティ対策を強化することができます。
BPO事業者選定の基準は、業務スキルの高さばかりに注目するのではなく、セキュリティ対策が万全であるかも大きな要素となります。
コア業務への集中
業務を丸ごと外部企業に任せることで、人的リソースなど限りある経営資源を、より利益還元率の高いコア業務に集中させることが可能となります。
BPOを導入することで、より創造性の高い課題に目を向けることが可能となり、革新的なアイデアが生まれ、新たな商品・サービスの生産に繋がる可能性を孕んでいるのです。
BPOで利益を生み出すコールセンターへ
一般的に、新規顧客を獲得し育成するコストは、既存顧客に継続利用を促すコストと比べ、7倍必要だと言われています。
既存顧客の満足度を高め、解約率を下げることで、確実に収益増加を生むことになります。
既存顧客やからの要望やクレームを通し、顧客のニーズを把握し各署に伝達するフロントオフィス業は、カスタマーサクセスの大切な導入部分を担っており、そこから初めて各部署で商品やサービスの品質に顧客のニーズをフィードバックすることが可能となります。
つまりコンタクトセンターは、直接的に利益を生み出せる部署と言えるのです。
しかしフロントオフィス業務でカスタマーサクセスを行うスキルは、大変テクニカルであり、その人材の資質に左右されるところが大きく、即戦力を育てるのは非常に困難です。
弊社の新サービス「ASHIGARU」のスタッフは「元・営業ハイパフォーマー」のみ。
つまり「常に最前線で営業として顧客と折衝してきた『攻め』のスペシャリストが、カスタマーサクセスなどのいわゆる『守り』の業務」を行うことにあります。
生産性の向上にとどまらず、クレーム処理からの解約阻止はもちろん、そこからの自然なクロスセルやアップセルこそ「ASHIGARU」の真骨頂です。
これを機会に、弊社の「ASHIGARU」導入、ご一考頂けましたら幸いです。